不動産の売買や相続、登記手続きの場面では、住居表示しか分からず、正確な地番を確認する必要が生じることがあります。
両者は制度や役割が異なるため、違いを理解せずに進めると誤認や手続きの遅れにつながりかねません。
本記事では、住居表示と地番の基本的な違いを整理したうえで、実務で役立つ具体的な調べ方を体系的に解説します。
初めて調査する方でも迷わないよう、目的別に整理した調べ方の考え方と注意点を分かりやすくまとめています。
住居表示と地番の調べ方を理解するための前提知識

まずは、住居表示と地番の基本的な仕組みを理解することが重要です。これらは日常生活では同じ「住所」として扱われがちですが、法的な役割や管理主体がまったく異なります。
違いを正しく理解していないと、不動産取引や相続、登記申請、建築確認などの場面で思わぬトラブルにつながる可能性があります。ここでは制度の成り立ちから実務上の考え方までを整理します。
住居表示と地番は何が違う?登記と生活で使い分ける住所の基本知識
地番とは、土地一筆ごとに付与される番号であり、法務局が管理する不動産登記制度の根幹をなす情報です。土地の所在、形状、面積、権利関係を特定するために用いられ、売買契約書や登記事項証明書、抵当権設定など、法的効力を持つ書類では必ず地番が使用されます。
一方、住居表示は、建物の位置を分かりやすく示すことを目的として、市区町村が住居表示法に基づいて定めた生活上の住所です。郵便配達、救急搬送、行政サービスなど、迅速な位置特定が求められる場面で活用されます。
この二つは似て非なるものであり、同じ場所を指していても番号体系や付与ルールが異なります。

私たち不動産に関わる職種は「所在」「地番」を使用することばかりですので、登記情報サービスなどで確認してます。
特に都市部では、住居表示と地番がまったく一致しないケースが一般的です。
登記や不動産契約では地番、日常生活や郵便では住居表示という役割分担を理解することが重要です。
なお、住居表示制度は1962年に制定された住居表示法に基づくものであり、制度の概要や目的は公的に示されています(出典:総務省 住居表示制度について)。
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住居表示と地番の住所表記の違い

地番による住所表記は、もともと土地台帳を基準に形成されたもので、「○丁目○番地」という形式が一般的です。この番地は必ずしも道路順や建物順ではなく、土地が分筆・合筆されるたびに枝番が増えるため、数字の並びに規則性がないことも珍しくありません。
一方、住居表示は街区単位で整理され、「街区符号+住居番号」という形で付与されます。道路に面した建物から順に番号を振るため、現地での位置把握がしやすいという特徴があります。
この違いを理解せずに住所を照合すると、同一不動産であるにもかかわらず「別の場所」と誤認してしまう恐れがあります。
特に、金融機関や司法書士とのやり取りでは、どちらの住所を指しているのかを明確にする必要があります。
丁目の数字が漢数字か算用数字かという点も、地番と住居表示を見分ける一つの手掛かりになります。

あなたの住所はどっち?住居表示の実施地域と非実施地域を見分けるポイント
住居表示制度は全国一律で導入されているわけではありません。市区町村ごとに実施の有無が異なり、同じ自治体内でも一部地域のみ実施されているケースもあります。
一般的に、市街地や住宅密集地では住居表示が実施されていることが多く、山間部や農村部では未実施のまま地番住所が使われ続けている傾向があります。実施地域では、住民票や郵便物の住所が住居表示で統一されますが、非実施地域では地番がそのまま住所として使われます。
非実施地域では、住所=地番となるため、住居表示が存在しない点に注意が必要です。
自分の所在地がどちらに該当するかを把握しておくことは、地番調査の第一歩です。
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住居表示と地番が登記で重要な理由とは?

不動産登記制度は、土地と建物を地番および家屋番号で管理しています。そのため、登記事項証明書、公図、地積測量図など、登記関連資料を取得する際には地番が不可欠です。
住居表示しか分からない状態では、法務局のシステム上で該当不動産を特定できず、手続きが進まないことがあります。特に売買や相続では、契約の前提条件として正確な地番の把握が求められます。

私たちは、お客さまから「住居表示=住所」を伺えれば、「所在=地番」を調べて調査することができますので、不動産売買などの際は専門家にご相談ください。
最終的な判断や正式な手続きについては、必ず法務局や司法書士などの専門家に確認してください。
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要注意!住居表示から地番を変換する際の正しい考え方と落とし穴
住居表示から地番への変換は、単純な自動変換ではありません。両者は別の制度に基づいて付与されているため、一対一で対応しないケースも多く存在します。
実務では、住宅地図、ブルーマップ、公図、自治体の地番参考図など複数の資料を突き合わせて確認します。また、分筆や合筆が繰り返された土地では、過去の履歴を追う必要がある場合もあります。
安易な変換は誤認の原因となるため、必ず公的資料や専門家の確認を前提に進めることが重要です。

住居表示から地番を調べ方の具体的な方法と確認手段

基礎知識を踏まえた上で、ここからは、住居表示から地番を実際に特定していくための、より実務的な調べ方に焦点を当てて解説します。制度の違いを理解していても、具体的な確認手段を知らなければ、調査は途中で行き詰まってしまいます。
後半では、法務局での確認方法を軸に、登記情報提供サービスを使ったオンライン調査、ブルーマップによる視覚的な照合、固定資産税台帳を活用した実地ベースの確認まで、それぞれの方法を目的別に整理します。どの手段を、どの段階で使うべきかが分かる構成になっています。
最終的な手続きで失敗しないために、信頼性の高い情報にどう辿り着くか。その具体的な道筋を、後半パートで順を追って確認していきましょう。
法務局で住居表示から地番を調べ方
住居表示から正確な地番を特定したい場合、法務局での確認は最も信頼性が高い方法です。法務局は不動産登記を所管する公的機関であり、土地の地番や筆界、公図などの一次情報を直接管理しています。
そのため、他の方法では判断が難しいケースでも、最終的な裏付けを得られる点が大きな強みです。
法務局では、管轄区域ごとに備付地図(公図)や地番参考図、地域によってはブルーマップを閲覧できます。これらの資料をもとに、住居表示で示された建物が、どの土地(地番)に該当するのかを視覚的に確認することが可能です。
特に、分筆や合筆が行われている地域では、最新の登記情報を反映した資料を確認できる点が重要です。
窓口で照会する場合のポイント
法務局の窓口では、「地番・家屋番号の照会」を目的として相談するのが一般的です。住居表示(町名・丁目・番・号)を伝えることで、職員が地図資料を使って該当する地番を案内してくれる場合があります。
ただし、法務局はあくまで登記の管理機関であり、すべてのケースで個別相談に応じられるわけではありません。混雑時や複雑な案件では、閲覧スペースで自分自身が資料を確認する形になることもあります。そのため、時間に余裕を持って訪問することが大切です。
住居表示だけでなく、周辺の目印や隣接地の情報を持参すると、特定がスムーズになります。
電話で問い合わせる際の注意点
法務局によっては、電話での地番照会に対応している場合もあります。ただし、電話対応はあくまで簡易的な案内にとどまることが多く、正式な証明や確定的な判断はできません。
また、個人情報や権利関係に関わる内容については、電話では回答できないことがほとんどです。そのため、電話照会は「現地に行く前の事前確認」や「おおよその目安を知る」用途として考えるのが現実的です。
電話対応の可否や内容は法務局ごとに異なるため、必ずしも回答が得られるとは限りません。
費用と利用しやすさについて
地番の照会や備付地図の閲覧自体は、無料で利用できる場合がほとんどです。そのため、初めて住居表示から地番を調べる方でも、費用面の負担なく確認できる点は大きなメリットです。
ただし、登記事項証明書や公図の写しを取得する場合は、別途手数料が必要になります。単なる確認なのか、書類として提出する必要があるのかによって、利用方法を使い分けることが重要です。
最終的に、売買・相続・登記申請などの重要な手続きに使用する場合は、法務局で得た情報をもとに、正式な登記簿謄本を取得するか、専門家へ相談することを強くおすすめします。
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登記情報提供サービスで地番検索

現地に行かずに住居表示から地番の手掛かりを得たい場合、登記情報提供サービスは非常に実務向きの手段です。このサービスは、法務局が管理する登記データをオンラインで閲覧できる仕組みで、パソコンやタブレットから全国の不動産情報を検索できます。(出典:登記情報提供サービス)
不動産業務や相続手続きの事前調査として利用されることが多く、時間や場所の制約を受けにくい点が大きなメリットです。
住所情報から候補を絞り込める仕組み
登記情報提供サービスでは、市区町村名や町名などの情報を入力することで、該当エリアに存在する土地や建物の候補を一覧で確認できます。住居表示を手掛かりに検索することで、該当しそうな地番を複数候補として把握できるため、全く情報がない状態から調査を始めるよりも効率的です。
特に、過去に分筆や合筆が行われている地域では、候補が複数表示されることがありますが、これにより「どの地番が関係していそうか」という全体像をつかむことができます。
登記情報提供サービスは、地番を確定するというより「当たりを付ける」ための調査手段として活用するのが現実的です。
無料情報と有料情報の違いを理解する
サービス内には、無料で利用できる簡易検索機能と、有料で詳細を確認できる閲覧機能があります。無料検索で表示される情報は、あくまで参考情報であり、正式な証明力や法的効力はありません。
一方、有料で取得できる登記情報は、登記事項証明書とほぼ同等の内容を確認できますが、それでも公的な証明書そのものではない点に注意が必要です。提出書類として使用する場合は、必ず法務局で正式な登記事項証明書を取得してください。
無料検索の結果だけをもとに契約や申請を進めるのは避けるべきです。
どのような場面に向いているか
登記情報提供サービスは、次のような場面で特に有効です。
- 法務局へ行く前の事前調査として概要を把握したい場合
- 遠方の不動産について地番の候補を調べたい場合
- 相続や売却の検討段階で、対象不動産の範囲を整理したい場合
一方で、最終的な確定作業や法的判断には向いていません。オンラインで得た情報を起点に、必要に応じて法務局での確認や専門家への相談につなげることが、失敗しない調査の流れです。
登記情報提供サービスは非常に便利な反面、使い方を誤ると誤認につながる可能性もあります。あくまで補助的な調査手段として位置付け、重要な手続きでは必ず公式な書類で確認するようにしてください。

「地番検索サービス」というボタンがありますので、アカウントを作成したら試してみてくださいね。
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住居表示と地番をブルーマップで確認
住居表示から地番の対応関係を把握するうえで、ブルーマップは非常に実務的で理解しやすい資料です。ブルーマップとは、通常の住宅地図の上に法務局が管理する地番情報を重ねて表示した地図で、建物の住居表示と土地の地番を視覚的に結び付けて確認できる点が最大の特徴です。

ブルーマップの最大のメリット
最大の利点は、文字情報だけでは分かりにくい「この建物がどの土地(地番)に載っているのか」を一目で把握できる点にあります。特に、次のようなケースではブルーマップが非常に有効です。
- 同一街区内に複数の地番が存在している場合
- 一つの建物が複数筆の土地にまたがっている場合
- 住居表示と地番の位置関係が直感的に分かりにくい場合
文章や一覧表では理解しづらい情報も、地図として確認することで誤認を防ぎやすくなります。
ブルーマップは「住居表示と地番の位置関係を把握する」ことに特化した資料です。
閲覧できる場所と利用シーン
ブルーマップは、主に法務局、自治体の資料室、大きな図書館、不動産会社などで閲覧できることが多く、地域によっては有料で購入できる場合もあります。不動産取引の事前調査や、相続対象不動産の範囲確認など、現地確認と併用する資料として活用されるのが一般的です。
また、土地勘のないエリアを調査する場合でも、ブルーマップがあれば現地に行く前に大まかな位置関係を把握でき、調査効率が大きく向上します。
注意すべき更新タイミングと限界
一方で、ブルーマップには明確な注意点があります。ブルーマップは定期的に更新されるものの、分筆・合筆・地目変更などがリアルタイムで反映されるわけではありません。作成時期が古い場合、最新の登記状況と一致しない可能性があります。
ブルーマップの地番情報が現行の登記と一致しているとは限らない点に注意が必要です。
他資料との併用が前提
ブルーマップは非常に有用ですが、それ単体で地番を断定する資料ではありません。あくまで補助的な位置確認ツールとして位置付け、法務局資料や登記情報、固定資産税関係書類などと必ず照合することが重要です。
特に、売買や相続、登記申請といった法的な手続きに関わる場合は、ブルーマップで把握した情報を起点として、最終的には公式な登記情報で確認する流れを徹底してください。
ブルーマップを正しく使いこなすことで、住居表示と地番の関係を誤解なく整理でき、後工程でのトラブル防止にもつながります。視覚的な理解を助ける資料として、非常に価値の高い存在といえるでしょう。

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固定資産税台帳で地番を調べ方

固定資産税台帳を活用した地番の確認は、実際に課税対象として自治体が把握している土地情報を確認できる点が大きな特徴です。特に、すでに不動産を所有している方や、相続・売却を検討している方にとっては、現実的かつ信頼性の高い調査手段の一つといえます。
固定資産税台帳とは何か
固定資産税台帳は、市区町村が固定資産税を課税する目的で作成・管理している帳簿で、土地や建物ごとに所在地、地番、地目、地積、評価額などが記録されています。
登記簿とは管理主体や目的が異なりますが、課税実務に基づいた現況情報が反映されている点が特徴です。
固定資産税台帳は「税務上の不動産管理資料」であり、登記簿とは別の視点で土地を把握できます。
具体的な確認方法
地番を確認する方法として最も一般的なのが、毎年送付される固定資産税・都市計画税納税通知書です。通知書に同封されている課税明細書には、対象不動産の地番が明記されていることが多く、最も手軽な確認手段といえます。
通知書が手元にない場合や、複数筆ある土地の詳細を確認したい場合には、市区町村の税務課などの窓口で固定資産税台帳の閲覧や写しの交付を申請します。本人確認書類を提示することで、所有者本人であれば比較的スムーズに対応してもらえるケースが一般的です。
相続・売却時に有効な理由
相続や不動産売却の場面では、「どの土地が課税対象になっているか」を正確に把握する必要があります。登記簿上では一筆でも、実際の課税では複数筆として管理されているケースもあり、固定資産税台帳を確認することで見落としを防ぐことができます。
また、評価額や地積の記載を併せて確認することで、今後の税負担や取引条件を検討する際の判断材料にもなります。
固定資産税台帳の情報は課税目的のため、登記内容と完全に一致しない場合があります。
閲覧できる人と注意点
固定資産税台帳の閲覧には制限があり、原則として所有者本人または正当な権限を持つ関係者に限られます。第三者が正当な理由なく閲覧することはできず、相続人であっても、状況によっては戸籍謄本などの追加書類を求められることがあります。
また、自治体ごとに閲覧方法や手数料、対応範囲が異なるため、事前に電話や公式案内で確認しておくと安心です。
固定資産税台帳は、日常的な郵便物の中にヒントが隠れている身近な資料です。
登記情報や地図資料と組み合わせて活用することで、住居表示から地番を特定する精度をより高めることができます。最終的な判断や手続きについては、必ず公式機関や専門家に確認するようにしてください。
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住居表示から地番の調べ方:まとめ
- 住居表示と地番は目的と管理主体が異なる別制度
- 登記や契約では地番が必須である
- 日常生活や郵便では住居表示が使われる
- 住居表示実施地域か非実施地域かの確認が重要
- 住居表示と地番は自動で一対一変換できない
- 法務局は最も信頼性の高い確認先である
- 登記情報提供サービスは事前調査に有効である
- ブルーマップは位置関係を視覚的に把握できる
- 固定資産税台帳は所有者確認に役立つ
- 最終判断は必ず公式機関や専門家に確認する
住居表示から地番を調べる方法は一つではなく、目的や状況に応じて使い分けることが重要です。法務局、オンラインサービス、地図資料、それぞれに役割があります。
本記事の内容は一般的な目安であり、正確性を保証するものではありません。最終的な判断や重要な手続きについては、必ず公式機関や専門家に相談してください。


